まるたのました(仮)

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【感想】グノーシア(Switch版)

d-mebius.com


追記より、ネタバレは極力避けるようにしています。
誤字・脱字、その他おかしな文章は気付き次第修正します><

◆前書き

 加速する動画広告収入の奪い合い、ゲームもまた様々な投稿者と表現方法で動画化されている。
 ゲーム実況による宣伝効果は好例・悪例共にあり、Win-Winに持ち込むには実況者の技量と好感度の方向性次第と言える。
 しかし、視聴者の数だけ事情があり、こう考える者も現れる。

 「こんだけ動画があるんだから、買わなくてもいいんじゃね?」



 二月上旬ある日、私は某サイトのランキングにて異彩を放つサムネイルに吸い寄せられた。
 その先にあったゲームはいわゆる人狼系であり、一人プレイでCPUを相手にするらしい。
 
(こういうのやったことないんだよな、やってみてぇなぁ……)
 
 オンラインゲームから離れた自身にとって縁のないジャンルだったせいか興味をそそられた。

 しかし恐慌のあおりを受けた私には現在経済的余裕がなく、二月末発売の牧場物語新作ですら本命のルンファ5のため切るかどうか迷っている最中だった。
 そのゲームの値段は2750円、最近はやポケモンスマブラなどの大型DLCがこのくらいの値段で売られていたが、私はそれらを買っていない。それどころか、もはや必須と言える任天堂オンラインすら加入していないのだ。私の事情がご理解頂けるだろうか?

 興味からタイトルで検索をかけたところ、別の某大型動画サイトにも沢山動画があるではないか。
 ご丁寧にイベント回収動画まであるらしく、この様子ならエンディングまで揃っているに違いない。
 これはもしや、ネタバレだけで好奇心を満たせるのではないか?

 これこそゲーム配信の悪例、テキスト&CGメインのゲームが配信禁止されがちな理由だ。
 私は手を止めて悩み、そして考えた。自分はゲームに対して何を求めているのかを。
 つまらない現実から逃避……いいや、現実では叶わない体験を提供してくれることなのだ。

 そこまでに至り、自分でプレイするほうへ天秤が傾いた。
 その勢いに任せて購入ボタンを押したのだった。

 しょうもない葛藤に決着を付け、ゲームを起動した。そして――

 気が付けば夜を越して約10時間ぶっ続けでプレイする自分がいた。

 頭痛が酷くなり現実に引き戻され反省する。これからは少しずつ進めて行こうと。
 それでも起動すると抑えが効かず、結局クリアまで一週間もかからなかった……

 この『グノーシア』は、懐事情から動画だけで済ませようかなどと考えていた自分が、
 次回作があれば発売直後に買いたいと改めさせられるほどに魅力のあるゲームだったのだ。



◆どんなゲームか

一人用の人狼要素のあるアドベンチャー
議論の相手は人間ではなく作中のキャラクターである。

乗員の中に紛れ込んだ人間を消滅させる『グノーシア』汚染者を見つけ出してコールドスリープさせるのが目的となる。

乗員は投票で怪しい人物を凍らせる。

グノーシア側は乗員を騙し、投票を掻い潜って一人ずつ乗員を消していく。

主人公には成長要素があり、パラメーターを鍛えることで立ち回り易くなっていく。
イベントを進めることで解放される特殊なコマンド用いて戦略を立てることも可能(他乗員も使用する)
 

早い話、適当な動画のPart1~4を観ればピンとくるかもしれない。

◆良いと思った点

魅力のあるヒロイン(※汎)


本作の相棒キャラであるセツ、このゲームの魅力の三割くらいこのキャラに集約されていると思う。

伏線の回収が素晴らしい


プレイ開始から振り撒かれた謎のほとんどが丁寧に回収されている。
そのため、エンディングに至った際のカタルシスの解放が良いものとなっている(切ないけど)

フリゲやなろう系で疎かにされがちな「理由付け」もしっかりされていながら、
背景設定などの考察の余地も残しつつこのゲーム単体で完結している。

全てを把握した上で2周目をやるのもいいし、打ち切ってゲームをやめるのもいい。

キャラクターへの愛着が湧く

本作はループゲーであり、プレイの過程で乗員15名のキャラクターそれぞれの抱える個性や事情を掘り下げていくことになる。
敵側になった際の反応や、味方として共に苦難に立ち向かうことでキャラの新たな一面を発見できる。

この要素は二重の意味で攻略の鍵となっていく。
一つは割愛するが、もう一つは騙し合いにおけるヒントになりうる情報だ。

「コイツは嘘が下手だからボロを出す、コイツは反撃が怖いから直接攻撃は避ける」
というように、キャラへの理解が進み有利になっていく(パラメーターだけでは勝てない)
同時に、キャラの「らしさ」を実感し、そこが面白く愛着も湧いてくるのだ。

一人一人設定も凝っていて、それらを知ることで出会った時と印象がガラっと変わることも。

これは人狼じゃなくてキャラゲーだと言う人もいるようだが、その解釈もあながち間違いではない

序盤のパラメーター不利も味があるバランス

パラメーターの上昇、乗員達の傾向を知ることで後半は主人公有利になっていく。

だが、序盤ではすべての能力が劣った状態で放り込まれ不利のなか戦わされる。
それでも協力を結び、潰し合いをかわし、変化する状況に身を委ね勝利条件に到達することはできる。

実際私もプレイ初日、最大人数でかつ演技力一桁ながらグノーシア側で勝利することができた。
(画像は、初日で一番印象深かった回。組んだ相手がバグであり、切り離さなければ負けていた)

後半は乗員も特記事項の開放に伴い強化され、毎回ガンガンコマンドを使用するようになるため、むしろ序盤~中盤が一番勝負として面白いのかもしれないとさえ思わされる絶妙なバランスだと思う。能力を極振りして、主人公に個性を適用するなどロールプレイ感覚でやるのも面白そう。


◆気に入らない点

自分が退場したら即終了


最終的な勝ち負けは表示されず、主人公が冷凍・消滅させられたらゲームオーバー。
これに関しては作中でも語られるが、勝とうが負けようがその世界に留まらずループするので主人公としてはその過程で「情報」を収集できればいい。
(もう少し別な理由もあると言えるのだが、ややこしいので割愛)

特定キャラを生存させて勝利しろなどの指令はあるが、
陣営そのものの勝敗・勝率がメインストーリーに関わる訳ではないため重要ではない

とはいえ、「人狼」システムをゲームに取り込んでおきながら、消化不良感が残るのはもどかしくもある。
私自身、爪痕は遺したから残った乗員がなんとかしてくれるだろう……と想像して去っていくケースが多かった。
ゲームの性質上不要であっても、結末が気になる場合もあり、今回は難点として挙げさせてもらった。

イベントの発生条件と完了が困難

特記事項に関わるイベント、また恋愛イベントなどは一つのデータで一回きり。
しかしこのゲームはランダム性が高く、該当イベントが発生しても最後まで辿り着けずに強制終了することも多い。

エンディングまで到達すれば別のデータでもロード機能は解放されるようだが、
初期好感度は固定されておりどう足掻いても回避できないパターンに陥るかもしれない。
(方法はあるかもしれないが、現地点では不明)

この要素は、「もう動画でいいじゃん」の悪例だと言える。
当然ながら、イベントCGも取り逃せば終わりでそのデータ内では振り返ることができない。
せっかく、独特なグラフィックで美しく世界を描写しているのに勿体ないなと思う。

なお、特記事項イベントに関しては入手するまで再発生するが、
それを取ってしまえば何かがあったとしても見られずに再発生不能となる。

連打への配慮

発言コマンドが発生するとピコーンというSEと共にアイコンが点滅するのだが、これが「遅い」のである。
テキスト送りをしているとテンポよくAボタンを押しがちになるため、
意図せず発言コマンド発生より先にAを押してしまうのだ。

一応、選択肢における『無反応』がこれにあたり発言せずとも問題ないケースがあるものの、
特記事項イベントをこの操作ミスせいで取り逃したこともあるので注意すべき要素の一つとして挙げた。

クリアまでのプレイ時間が短め

クリアまで、20時間くらい。試行錯誤やレベル上げ込みでもLoop100~150で収束するはず。
人によっては2周目やしくじったイベントの回収に向かい、40時間弱まではやるかもしれない。

このゲームはそもそもストーリーが短い上にコレクション要素も進行条件に加えているので、
やり込みは極端に不利な条件でクリアするとか、自分で縛りを入れるといった方向性になる。

Steamだとロープライスで100時間超えしてしまうものもあるので、
その味を知ると余計短く感じてしまう。

◆まとめ

ループする度に変化する一期一会な世界で、
独特な画風や世界観の中で相棒と共に謎を追いかけ解き明かしていく……
とにかく没入感が凄いゲーム。

キャラクターはみな個性的で、そんな彼らと笑いあり涙あり、
ホラー要素もあったりして、乗員として過ごす時間も充実しています。

そして「人狼」要素に勝利し生き残った時の爽快感、
エンディングまで辿り着いたときの解放感は素晴らしいに尽きます。


作り手の愛も感じられ、温かい気持ちでやりきることができました。
最近はコスパやゲーム性を重視するようになった自分でも、
総合的にかなり高評価だと言えます。

RPGやアクションだけじゃなく変わったゲームをやってみたい
・人付き合い苦手だが、人狼の雰囲気を味わいたかった
・ゲームはよくわからんけど、なんか絵が気に入った(直球)

こういった方に向いていると思います。
逆に、本格的な人狼を望む方にはツールとしてお勧めできません。


Vita版とSwitch版があり、内容そのものは全く同じらしいがSwitch版の方が300円ほど高い。しかし100か所以上に修正が加えられている上に特殊な方法でギャラリーモードが閲覧できる。Vita版にも同じ修正をしたという報告は無いので、実質Switch版が完全版というべきだろうか。

Switchが無くてウォレットが余ってるならVita版、
それ以外はとりあえず完全版的なSwitch版を買うといいでしょう。

セールについてはVita版時代から行った様子はなく、
Amazon(パケ版?)で15%Offがあった程度に留まっています。



◆オマケ

プレイヤー:ミヤジの乗員データ

最終能力(Loop131) 
中盤能力:かわいげ=ステルス>カリスマ>直感>演技力>ロジック、

争いを嫌う事なかれ主義。普段は愛想よく振舞い議論の標的にされ難いが、
疑われたり嘘を見破ると感情的になり急に口数が増すため敵味方問わず困惑させる。

・論理的思考をしたい感情論者。一応、冷静なうちは頭で考えられる。
・泳がせるより捕まえる派で、敵と判断すると容赦がない(逆にヘイトを溜めやすい)
・どの役職でも、とりあえずセツを擁護する。
・沙明が苦手(敵対率が最も高い)
・嘘をつく度胸がないため、役職の騙りに出ることはほとんどない。
・自分から協力を持ち掛けないが、持ち掛けられると大体乗る。
・主体性が薄く協力者に忠実だが、土壇場になると裏切る。

備考:
何故か協力者が敵である割合が高く、ラスト三名までもつれ込みやすい。
中でもSQからの協力時は敵率が高く、演技力の高いキャラに弄ばれがち。
(その教訓から土壇場裏切りを身に付けたのだが……)

・エンジニアのときは、嫌いな者、前日怪しまれた人、自身の協力者の調査を優先する。
・ドクターのとき、基本的に初日の名乗りを避ける。
・グノーシアのとき、味方の弁護には向かわず繋がりを避ける。
守護天使にも関わらず感情を振りかざすため、留守番からタゲを逸らされ消され易い。
・嘘が下手なのでAC主義者の適性が低く、結局乗員側に加担することが多い。
(騙りをしない、投票先が全員グノだった、目障りな動きから早々グノに消される等)

・バグのときは疑われても大人しい。
・留守番または人間確定時、議論に加わらず投票だけ参加する。

備考:エンジニア時のグノーシア的中率は偶然なのか妙に高く、
早い段階で丸裸にしてやった際は油断してバグにやられる。


・口癖
「まぁまぁ落ち着け」:狙いとは違うキャラへの疑いを弁護で収めようとしている。
「お前らっ……知らんぞもう!」:自分の必死な訴えが投票に反映されなかった(対ククルシカ等)
「何やねんコイツ」:調査や守護をした相手が自分に敵意を向けてきた。
「このド無能共が……」:無実なのに凍結される。別の意味で化けの皮が剥がれている。